車の給油は半分にして…は、百害あって一利なし
ライブドアニュースに「車の給油は半分にして重量を軽くしてガソリン代を節約」という記事が出ていた。
ネットのニュースだからといってこんな無責任な記事を書いてはいけない。この記事を書いた記者に代表されるような、危機管理も出来ず、車の知識もない人は信じてしまう。
先の震災の時にガソリンが不足したことをもう忘れたのか?
今年のはじめの大雪の時に車の中に何十時間も閉じ込めらたドライバーがいた事をもう忘れたのか?寒い地方では除雪機に入れるガソリンもなくなって雪かきもままならず、家屋の倒壊の恐れもあるなか何日も孤立した事を忘れたのか?
ガソリンタンクに半分しかガソリンを入れないということは、時として命にも関わることだということを幾つもの例が教えてくれている。この記事は漠然とした内容で具体的な検証もされていないし、リスクが有ることも一切書かれていない。
車の知識がないだけでなく、他所で起きている事件や事象を他人ごととしてしか捉えられていないようでは記事を書く資格がないのではないか?うわさ話を記事にしているようなクオリティしかないにもかかわらず、あたかも常識であるかのような断定的な書き方、この記者の薄っぺらさが出ている。
少し調べればガソリンタンクに半分しか給油しないことがメリットよりもリスクが多いことがわかる。
- 例えば、上記のような危機管理的な理由がひとつ。
- そして、半分しか給油しないと残りの半分は空気ということになり、空気の中には水分が含まれている。そして、寒暖の差でその水分が結露してタンクの底にたまる→エンジンが水を吸い込み始動不可になる。
- タンクが金属製なら錆びる→錆びた水を燃料ポンプが吸い込む→フィルターが詰まる→ガソリンが流路の途中で途絶えてエンジン始動不可。
- 車は始動する時から燃料ポンプでガソリンタンクから燃料を吸い上げている。その燃料ポンプは燃料に浸かっていることで冷却されている。ガソリンタンクにガソリンが半分しかないことで常に空気中に露出して冷却が不足すれば寿命も縮まる。燃料ポンプが故障すれば始動不良、アイドリング不良、燃焼不良となる。
- 半分しか給油しないとなると給油回数が2倍に増えて、ガソリンスタンドへ向かうガソリン代も2倍となり相殺されてしまう。時間と量力の無駄だ。
- 給油をタンク半分にして浮いたお金(=無いに等しい)と故障させてかかる修理費を天秤にかけてみればどちらがお得がすぐに分かる。
こんな記事は真に受けず、エコドライブを心がけるだけで、確実に燃費が伸びるだろう。
誤差ほどのお金より、命、迷惑など大切なものがいくらでもあることに目を向けよう。
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